遺言書の付言事項とは?書き方・例文紹介

遺言書の付言事項とは?書き方・文例紹介

付言事項とは、法律に定められていないために遺言書の本文では書けないメッセージを相続人に伝えるものです。

付記事項の記載によって法的な効力が新たに生じるわけではありませんが、相続人に想いを伝えることができます。

その結果、スムーズな相続が実現することもあります。

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付言事項の例

①尊厳死の宣言

【遺言書の文例】

遺言者は、遺言者の傷病が不治であり、死に瀕して生命維持装置無しでは生存できない状態に陥った場合に備えて、遺言者の家族並びに遺言者の治療に携わる医師の方々に対し、次の要望を宣言する。

なお、この宣言は、遺言者の精神が健全な状態にあるときに本件遺言の作成とあわせて公証人の面前で行ったものであり、遺言者の精神が健全な状態にある時に遺言者自身が撤回する旨の文書を作成しない限り有効である。

第○条 遺言者の傷病が、現在の医学では不治の状態であり、死期が追っていると診断された場合には、死期を引き延ばすためだけの延命措置は一切行わないこと。
第○条 ただし前条の場合、遺言者の苦痛を和らげるため、麻酔等の適切な使用により緩和借置を行うこと。
第○条 遺言者が回復不能な持続的植物状態に陥った時は、一切の生命維持借置を取り止めること。

ただし、実務では、公正証書遺言とは別に「尊厳死宣言公正証書」を作成するのが一般的で、遺言の中で意思表明を行うケ−スはほとんどありません。

②臓器提供の意思表示

【遺言書の文例】

第○条 遺言者は、臓器の移植に関する法律及び同法施行規則(以下、「法律・規則」という。)に定められた基準によって脳死と判定された場合には、私の体から心臓、肺、肝臓、腎臓、膠臓、小腸、眼球を摘出しそれを必要としている患者に移植することを承諾し、かつ、希望する。なお、遺言者は上記の臓器摘出の前に法律・規則による脳死の判定を受けることを承諾し、その判定に従う。

なお、尊厳死の場合と同様、臓器を提供する意思表示の公正証書を作成する方法もあります。

③献体の希望

【遺言書の文例】親族がいる場合に献体を希望する場合

第○条 遺言者は、その死後、遺言者の身体を医学に役立てるため、○○医科大学に献体する。なお、遺言者は同大学に献体登録を済ませているので、同大学による献体の同意を求められた場合、遺言者の親族は皆これに同意するよう希望する。
第○条 遺言者の遺骨は、遺言者の妻○○に引き渡して欲しい。

【遺言書の文例】親族がいない場合に献体を希望する場合

第○条 遺言者は、その死後、遺言者の身体を医学に役立てるため、○○医科大学に献体する。
第○条 遺言者の遺骨の取扱いは、○○医科大学に一任する。

④葬儀の方法について

【遺言書の文例】特定の宗教による葬儀を希望する場合

第○条 遺言者の葬儀は、○○宗の儀礼にのっとり執り行う。なお、遺言者の葬儀のやり方については、遺言者の従兄弟で○○宗の信徒である○○の意見に従い、その協力を受けて執り行うよう希望する。
第○条 遺言者の遺骨は、○○宗が東京都○○区において設営する××納骨堂に納骨すること。

【遺言書の文例】葬儀を希望しない場合

第○条 遺言者は、遺言者の死後、宗教的・習俗的な儀式による葬儀を執り行うことを希望しない。

【遺言書の文例】散骨を希望する場合

第○条 遺言者は、遺言者の遺骨を灰にして、○○○の沖合海上に散骨するよう希望する。
第○条 遺言者の散骨のための費用は、遺言者の祭祀の主宰者である妻○○(昭和〇年〇月〇日生)に相続させた財産の中から支払に充てるよう希望する。
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